名古屋支店ブログ

栴檀

こんにちは、名古屋支店の澤口です。
河川敷を散歩中、とある雑木を見かけました。
「栴檀(センダン)の木」です。

広々とした場所では、鳥がよく実を落とすので、
勝手に生えた木、いわゆる実生が目立ちます。

地方によって実生の種類は異なりますが、ここ愛知では、
クロガネモチやアカメガシワ、ムクノキなどが多いようです。
まれにお客様とお話し中、勝手に生えたんだと
桜や松、果樹なんかの話も聞きます。

実生と植木には大きな違いがあります。
それは、人が植えたかそうでは無いかの違いです。

実生は自らが環境を選び、適応しなければ発芽しませんが、
植木は誰かがここに植えたいなと思ったならば、そこへ植えられます。
そのため、実生は力強く成長しますが、植木は植えた人や
その人と関わる誰かが管理しなければすぐに枯れてしまいます。

そう考えると、お庭という空間がどれだけ人の手によるものか、わかりますよね。
たまに人間の手を離れて、野生化したお庭を見ることもありますが、
この場合、強い木は生き残り、弱い木は枯れています。

雄大な自然の風景と静謐さ漂うお寺のお庭に共通して感じるものとして、
繰り返される行為としての純然さがあります。
これも日本人独特の観念だと思うので大事にしたいものです。